火災保険
【火災保険とは】
火災保険とは、火災や災害などによって、建物や家財などに損害を生じた際に、その損害の程度に応じて補償をすることを目的とした保険です。
たとえば、隣家からの「もらい火」により、自宅が燃えてしまったとしましょう。この場合、火事を起こした隣家が悪いのだから、賠償してもらえるのではと思うかもしれません。しかし、法律上では、火を出した者に重大な過失が認められなければ損害賠償責任は生じないと定められています。つまり、大切な財産は自分で守らなくてならず、そのために火災保険があります。
ところで、火災保険というと、家が火事になったときの保険だと思っている人が多いかもしれません。もちろん、火災保険は建物や家財が火災により損害を被ったとき、それを補償します。しかし、それだけではないのです。火災以外にも、強風やひょう、雪による損害が補償されたり、洪水などによる損害が補償されたりする商品もあるのです。つまり、様々な災害によって、建物や家財などに生じた損害を補填するのが火災保険ということです。
【沿革】
火災保険の起源は種々の見解がありますが、中世ドイツの相互扶助団体ギルドに求めることができると言われ、海上保険と並んで、古い歴史があります。ギルドは、人の死亡および火災の際における救済を目的としていましたが、15世紀になると、火災の共済だけを目的とする火災共済組合が多数出現し、今日の火災保険の基礎を築いていきます。特に、1591年ハンブルクで100名のビール醸造業者によってつくられた火災組合は有名です。
近代的な火災保険は、1666年パン屋から出火した火が全市の家屋の約85%にあたる1万3200戸、400街を焼きつくしたロンドンの大火災が契機となって出現することになります。翌年の1667年、医師のニコラス・バーボンが最初の火災保険会社を設立し、建物火災保険の営業を始め、これに続いて、1683年には、相互組織の友愛組合が火災保険の営業を開始します。
日本における近代的火災保険は、1878年(明治11)にパウル・マイエットが『日本家屋保険論』を著したことに始まります。マイエットは1876年(明治9)来日し、日本には火災、震災、暴風、洪水、戦災など様々な災害によって家屋に大きな損害が及ぶにもかかわらず、これらの損害に対する保険制度が存在しないことから、ドイツの公営保険を模範とし、国営の強制保険を提唱します。このときは実現しませんでしたが、後に公営火災保険計画の調査書類が基となって、1887年7月23日有限責任東京火災保険会社(のちの安田火災海上保険。2002年に日産火災海上保険と合併、損害保険ジャパンとなる)が認可されます。これが日本における最初の火災保険会社です。これに次いで、1891年に明治火災保険、1892年に日本火災海上保険(2001年興亜火災海上保険と合併、日本興亜損害保険となる)が設立されました。
【火災保険の種類】
火災保険は、対象とする建物の物件によって「住宅物件」「一般物件」「工場物件」「倉庫物件」に分類され、それぞれに対応する火災保険の種類があり、補償の範囲や補償内容は、各種類によって違っています。
住宅物件用火災保険
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住宅火災保険 |
住宅物件用の火災保険として一番オーソドックスな商品です。火災による損害のほか、落雷・破裂・爆発・風・ひょう・雪災による損害を補償します。また、地震保険を付帯することができます。 |
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住宅総合保険 |
住宅火災保険の補償内容にプラスして、外来物の落下・衝突・水濡れ・騒じょう・労働争議・盗難・水災によって生じた損害などを補償します。また、地震保険を付帯することができます。 |
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オールリスクタイプ |
オールリスクタイプは従来の住宅総合保険ではカバーできなかった細かいリスクに対応し、必要な補償と不要な補償を選択することができます。近年の保険はこのタイプが主流となりつつあります。内容は保険会社によって異なります。 |
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団地(マンション)保険 |
団地・マンションなどの耐火造りの共同住宅とその家財について、住宅総合保険とおおむね同様の補償を備えた保険です。また。修理費用・交通傷害・団地構内での傷害・賠償責任による損害など、団地(マンション)での生活に必要な補償を取りそろえています。 |
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特約火災保険 |
住宅金融公庫などの公的金融機関から融資を受けて、住宅を建設・購入・リフォームした人が加入する保険です。 |
一般物件用火災保険
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店舗総合保険 |
店舗兼住宅のような、一部が店舗、一部が住宅のような物件のための火災保険です。店舗総合保険は、建物への補償のほか、什器・備品・家財への補償も備えることができます。事業用のみの建物の場合は地震による損害は補償されませんが、店舗兼住宅の場合は地震保険を付帯することもできます。 |
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普通火災保険 |
店舗、事務所や店舗兼住宅などの建物、及び家財や動産などについて、火災、落雷、破裂・爆発、風災、雹(ひょう)災、雪災による損害、臨時費用、残存物取片づけ費用、失火見舞い費用、地震火災費用、傷害費用、損害防止費用、修理付帯費用などに対して保険金が支払われます。補償内容は、住宅火災保険とほぼ同じです。 |
工場物件用火災保険
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普通火災保険 |
工場などの建物および動産などに、火災、落雷、破裂・爆発、風災、雹災、雪災、航空機の墜落、車両の衝突、労働争議、給排水・スプリンクラー設備の事故に伴う漏水・放水・溢水(いっすい)による損害を補償します。 |
倉庫物件用火災保険
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普通火災保険 |
営業用倉庫などの建物、及び動産などについて火災、落雷、破裂・爆発による損害の他、臨時費用、残存物取片づけ費用、損害防止費用などに対して保険金が支払われます。 |
【保険の目的ごとに契約】
火災保険は何に保険をかけるかを明確にすることが鍵となります。住宅用の火災保険の場合、火災保険は、建物と家財それぞれに契約することが必要です。家財を対象とする火災保険を契約する場合で、高価な貴金属や宝石、美術品などは、申込みの際に、申込書に明記しないと補償の対象とならないケースがあるので注意しましょう。
火災保険の契約は、大きく3つの目的区分に分けられます。
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建物 |
一戸建て、マンション(カーポート、納屋、塀、垣)など |
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家財 |
服、机、テレビ、ソファー、パソコン、たんす、指輪など |
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その他 |
設備、什器、備品、商品営業用に使用するものなど |
【火災保険料について】
火災保険の保険料は、さまざまな要素で決まります。
① 建物の所在地
家が建っている地域によって、火災や台風、大雨などの災害の発生状況が当然異なってきます。それに従って保険料も変わってきます。
② 建物の面積が
火災保険では大きな家であるほど保険料は高くなります。その大きさをはかる基準が面積で、例えば2階建て住宅であれば1階部分と2階部分の延べ床面積の合計が占有面積となります。
③ 建物の構造
建物の構造や工法、使われている建築材料によって燃え方や損害のおよぶ程度がそれぞれ違ってくるので、保険料も違ってきます。たとえば、鉄筋コンクリートの建物は燃え難いのでA構造、ツーバイフォー住宅などはB構造やC構造、一般の木造住宅はC構造やD構造とされ、燃えるスピードや燃えると損害が大きくなると保険料は高くなります。
④ 補償される期間
保険期間が長期の場合、総額保険料は1年ごとの契約より安くなります。
⑤ 補償の範囲と特約の数
補償範囲の幅が広いものや、付帯する特約が多いほど保険料は高くなります。本当に必要かどうか、しっかりと考えましょう。
⑥ 家族構成
家財を補償の契約をする場合、家族構成、年齢、家族の人数によって、各保険会社で基準としている保険金額が異なります。
【注意点】
・金融機関で契約した時の注意点
住宅を銀行などから融資を受けて購入する際に、あわせて火災保険を契約する場合があります。この場合、建物のみ補償の対象とする契約が一般的で、家財について触れられていないことが多くありので、注意が必要です。家財に対する損害を補償するには、家財を対象とする火災保険を別に契約しておかなくてはいけません。
・地震による火災は補償されません
地震が原因による火災は、保障されません。噴火や津波による火災も同様です。火災保険とセットで地震保険を契約する必要があります。
・増築やリフォームなどにより契約内容の変更に注意
増築やリフォームを行うと、契約内容に変更が生じてしまう恐れがあります。その場合、保険金支払われない場合もありますので、保険期間が長期に渡る場合などには、小まめに見直しをするようにしましょう。